■わだいさむものがたりP.6

御坊ロータリークラブ和田勇委員会

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FamerFred-イラスト 勇一家が、ここロサンゼルスの高級住宅街サウス・バンネスに移り住んだのは、
一年ほど前の1948年(昭和23年)のことです。

勇が営んでいる野菜・果物店「ファーマー・フレッズ・マーケット」の事業は、
戦争で一時中断を余儀なくされたものの順調で、
店の数も10を数えるまでに発展していました。

勇の家は広々として部屋数も多く、選手たちを受け入れるには充分な環境です。
「和田さんの家なら申し分ありません。ぜひご協力をお願いします」
清水委員長は勇の申し出をとても喜びました。
「日本選手のためにお役に立てるなら、ぼくも女房もこんなうれしいことはないですよ」
勇は選手たちの滞在費用についても、すべて負担することにしました。

八月十三日、選手団が和田邸にやって来ました。
風呂ではなくシャワー、布団ではなくベッド、と日本と習慣の違うアメリカでの生活は、
選手たちにとって苦労と緊張の連続です。

九日間の滞在期間中、選手たちが少しでもリラックスして過ごせるよう、
勇も正子も仕事や家庭のことを二の次にして、心を込めてもてなしました。
夫妻の子どものまり子と勇二も選手たちとよく遊び、選手たちの大会前の緊張をほぐしました。